「発見力に優れ、そうぞう(想像・創造)力豊かな、知的挑戦を続けていくことのできる、自立意識の強い研究者、技術者」を育てる。

研究室紹介

無機工業化学とは、地球上に存在するあらゆる元素の性質を理解してその結合性を自在に操るための学問である無機化学・セラミックス工学を基軸としつつ、これに様々な分野の理論、手法を融合させることで、社会に役立つ無機材料やその応用技術、デバイスの創製につなげてゆくための統合学問領域である。
当研究室では、無機化学・セラミックス工学に加えて、電気化学・固体化学・固体物理学・表面化学といった学問分野の理論、手法を取り入れることで、電子やホール、イオンなど、無機化合物中における各種電荷担体のミクロスコピックなダイナミクスを、クリーンかつ高効率な電力供給システムや、安全性、信頼性に優れた蓄電システムの発展という人類の持続的繁栄に直結するマクロスコピックなダイナミクスに結び付けてゆくための研究を展開している。

現在取り組んでいる主な研究課題

1.振動発電システム関連材料→静電式環境振動発電用セラミックエレクトレットの開発
日常生活においては、人間や輸送機の移動などにより1~100Hzの低エネルギー振動(環境振動)が常に発生しています。最近、公害と見なされていたこの環境振動を電力源として利用する技術の開発が活発化してきました。ただし、出力密度が微小であるため、未だ本格的な普及には至っていません。

2.固体酸化物型燃料電池(SOFC)関連材料→中温(500~600℃)作動型次 世代固体電解質の開発
貴金属触媒が不要で発電効率が高く、燃料選択幅が広いといった様々な利点を持つSOFCは、今後需要を伸ばしてゆくものと考えられます。ただし、駆動温度の高さ(800~900℃)に起因する、システム構成材料の限定や、起動・停止レスポンスの悪さといった課題もあり、今後も改良を加えてゆかなければなりません。

3.固体高分子型燃料電池(PEFC)関連材料→白金削減技術の確立/脱白金触媒の開発
PEFCは各種燃料電池の中でも安全性に優れ、小型軽量化も容易であるため、移動電子機器や自動車への応用に適した市場性の高いシステムです。ただし、駆動温度の低さ(60~80℃)に起因する、空気極側での大きな酸素還元反応抵抗が出力密度を下げる一因となっており、希少かつ高価な白金系触媒の使用量を抑えつつ触媒活性(反応速度)を飛躍的に高める技術の確立が求められています。

研究室4年生の皆さん

 

関連記事

ページ上部へ戻る