「下町ロケット」制作の原石は学生時代にあり

2年次以降、野田キャンパスに移ってからもその思いは続き、いろんなアルバイトをしながらドラマ制作という仕事に出会ったのです。もちろん、安易な旅ではありませんでした。新卒で採用してくれた制作会社は、入社前に潰れてしまい、都落ちするように田舎に帰りました。でもドラマが作りたいと思い続け、TBSに途中採用で入社することができました。さらにはこの会社に入ってからは新たな発見があったのです。家に帰らず会社に寝泊まりし、ドラマのことを考えている先輩が目の前に何人もいました。上には上がいるんだと驚くと同時に、今度はその先輩に負けないようなドラマのことを考え続けているうちに、道が開けました。

下町ロケット誕生のきっかけ

一昨年、38年の月日を経て、「下町ロケット」というドラマで、技術者が主人公のドラマを制作できたのも、母校での経験の賜物だと、重ね重ね感謝しています。主人公のキャラクターは学生の時に出会った友人を思い出しながら作りました。長万部での寮生活での出会いが、私を形成しているのは事実です。きっと4人相部屋での寮生活でなければ、数学好きや、ロボット好きの彼らとは出会いこそできたかもしれませんが、その本質を知るまでの友達にはなれなかったと確信しています。受験戦争ではない、自分の「好きなこと」探しの旅のスタートを切れた、そんな場を作ってくれた母校に感謝しています。

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