「オーストラリア教育視察」―ICT活用状況の先進的な取り組み― 東京理科大学数学教育研究会

報告者:半田真・山田潤・勢子公男・牧下英世・伊藤稔

 2019年4月26日から5月6日まで、オーストラリアのシドニー大学、メルボルン大学と初等・中等学校を訪問した。

1.ICT活用の現状

今回のオーストラリア学校視察では、ヴィクトリア州のメルボルン市郊外のエッセンドン初等・中等学校、フィントナ女子小・中・高等学校とメントン初等・中等学校の3校を訪問する機会を得た。また、それぞれの学校が使用している教科書を作成しているケンブリッジ大学出版社の現地事務所を訪問した。そこで、オーストラリアにおける各州の教育省との連携協力、教科書作成過程における学校教員やシドニー大学やメルボルン大学との連携協力等について、さらに、学校教育におけるICT活用状況についての課題等について意見交換を行った。

2.タブレット端末、ノートパソコン、グラフ電卓が1人1台

視察した3つの学校は、小学生から、タブレット端末、ノートパソコンを1人、1台ずつ持っていた。また、高校生は、そのほかに、グラフ電卓等を一人ひとりが所持していた。それぞれの学校は、共通して1クラスの児童生徒数は20名以下で、馬蹄形に座って授業を行っていた。教室備え付けの最新型プロジェクター(光源が黒板の真上で教室内は自然光)とホワイト・ボードを活用して、アクティブ・ラーニング型の数学の授業形態であった。さらに、中学校や高校の教科書は、大変分厚いハードカバーの本であるが、ノートパソコンやタブレット端末にはデジタル教科書がプレ・インストールされていた。児童生徒へ教科書に対応した教材プリントが事前に配布されていた。教師は、児童生徒の学習進度に応じて教師用のデジタル教材から取捨選択をして、子どもたちへ、教材を適宜、配布していた。

教師は、一人ひとりの児童生徒の学習速度に応じて、課題や宿題等もネット上で確認できる仕組みであった。特に印象に残ったことの1つが、高校生がグラフ電卓を活用する授業であった。教師は、各設問で、高校生に対して、①グラフ電卓を使用する理由、②グラフ電卓を使用した時のメリット、③グラフ電卓を使用しない理由等についての問いが設けられていた。

エッセンドン初等・中等学校の中庭にて(文責:伊藤稔)

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