理窓 2016年4月号
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14 八ヶ岳の北に続く山域を北八ヶ岳と呼んでいる。北八ヶ岳にある横岳だから北横岳。本家の八ヶ岳の方にも横岳があるので、混同しないように北横岳と呼ぶようになったのであろう。山は健康の源である。眺めているだけでも爽快で、健康に寄与することは間違いないが、歩いてこそ健康の源たる「山」であろう。健康の源だからと言って、やみくもに登山を勧めても、勧められる側の体力・気力を考えれば、迷惑千万であるかも知れない。 敵を知り己を知らば…は、孫子の兵法だが、山を知り己を知らば、安心の登山法である。前回紹介した安達太良山もそうだが、今回取り上げた北横岳も、初心者でも無理なく登れる山なのである。北横岳は標高2480m、中部山岳の高峰群にあって最も取り組みやすい山なのだ。最寄りは中央本線茅野駅だから、関東からでも関西からでもアプローチしやすい。登山口の山麓駅まで路線バスで約1時間、ロープウェイを利用すれば標高2233mの山頂駅まで7分で上がることができる。山頂との高度差は約150m、一般的に高度差300mは1時間で登れるとされているから、単純計算では30分で登れる計算だ。我々レベルのゆっくり歩きでは、1時間で登れるのは250mほどと考えているが、そのスピードでも1時間かからない計算だ。実際は距離や傾斜があるから、計算通りには行かない。北横岳の場合、ロープウェイの駅から山頂まで歩行時間1時間10分とガイドブックには案内されている。中部山岳で最も取り組みやすい山、という次第である。 無風快晴で他に登山者がいれば、即ちトレースがあれば冬でも登頂できる山、というのは大きな魅力である。春夏秋冬365日、行動できてこそ「健康の源」である。せっかく面白くなってきた山登りが、冬将軍が襲来したからといって中止を余儀なくされたのでは、せっかくの健康登山ももとの木阿弥。冬でも、冬だからこそ山に登りたい。そんなリクエストに文句無しに応じられるのが北横岳である。「北横岳に登ってみませんか」という次第だ。 さて、この辺りの山並みに目を当ててみよう。昨今、八ヶ岳を「南八ヶ岳」と呼ぶ人が出てきたが、やめて欲しいと思っている。 八ヶ岳は、北アルプス、南アルプス、中央アルプスに次ぐ高山帯だ。2899mの赤岳を主峰とし、西岳、編笠山、権現岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰の松目の八ピークを数えての八ヶ岳だ。中央本線小淵沢駅下車、車で観音平まで上がる。ここをスタート地として、最初に立つピークは編笠山、ひと下りすれば青年小屋がある。西岳は主稜線より西にはずれているのでパス。下って登り返せば権現岳。標高2715m、主役を演じても不足ない存在感のある山だが、ここでは脇役に甘んじている。登山初心者をビビらせる垂直のハシゴを下り、旭岳を越えて下れば主稜線上の最低鞍部、キレットだ。キレット小屋が建っている。登り返せば待望の赤岳。文字通ヶうに北山は健康の行時間1時間10分とガいる。中部山岳で最も取次第である。 無風快晴で他に登山者がいれがあれば冬でも登頂できる山、と秋冬365日、行動で山は健康の源(24)山は健康の源(24)岩崎岩崎  元郎元郎北横岳に北横岳に 登ってみませんか 登ってみませんか

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