理窓2014年7月号
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4 多くの皆さまとは昨年葛飾キャンパスで行われた代議員総会にお目にかかって以来、一年ぶりかと思います。母校理科大のために全国から熱い思いを持ってお集まりいただき、学校法人東京理科大学の理事長として心より御礼を申し上げます。 「日本の理科大から世界の理科大を目指そう」という目標を掲げ、昨年、132年の歴史の中で初めて中長期計画を作成しました。向こう6年間を見渡し、将来の「あるべき姿」を教育と研究、そして国際化の観点で、各部局において検討しました。この計画から先生方、事務職員、役員の皆さんの努力の甲斐もあって少しずつ蕾(つぼみ)が出てきました。また、木の幹となる根幹部分の機構の改正・改革も静かに実施を行い、強化をしてまいりました。 今年4月には学長室の機能強化として改革の第一弾を行いました。理科大が世界競争に打って出るということもあり、諸先輩方が明治14年、どのような環境で建学の精神を願ったのか、改めて考えてみました。明治維新を迎えて物理学の教本が初めて日本にできた明治5年までは、日本には物理学という学問はありませんでした。このような環境の中にあって、何としてでも日本の将来のために物理学を中心とした理科教育をきちんと行わなければならないという思いに触れ、ここに理科大の原点があるのだと心を打たれました。133年を経た今日、我々は21世紀を見渡してどのような思いを持ち世界を目指すべきなのかということ平成26年度平成26年度理窓会代議員総会理窓会代議員総会来賓挨拶来賓挨拶学校法人 東京理科大学理事長学校法人 東京理科大学理事長中根 滋中根 滋(46理工・電)(46理工・電)を考えさせられました。その中で基本をもう一度しっかりと見直そうということで、藤嶋学長の二期目にあわせて、学長室の機構改革を藤嶋学長と相談のうえ行いました。 教育、つまり子どもたちに教えるという行為は研究と同じぐらい、もしくはそれ以上に大切なものです。今日の理科大があるのも教育のおかげです。そこで、教育の責任者として教育担当の副学長という立場が必要であるとの決定を最初に行いました。工学部機械工学科の山本誠先生にお願いしましたが、こうよう会からの評判も非常に良く、明るく、英語にも通じていて、子ども達を元気にすることができる教育者です。また、FD(Faculty Development)のリーダーをされていることもあり、誠に適任な先生だと思います。 次に、その隣に研究担当の強いリーダーが必要であると考えました。「めざせエベレスト」という目標を掲げました。山は登ろうとしなければ絶対に登れないという信念を持ち、どうせ登るのであれば世界最高峰であるエベレスト、つまりはMIT(マサチューセッツ工科大学)を目指そうと決心した訳です。しかし、理科大はまだ富士山を制覇していないので、策がないとかなり時間がかかるのではないかと思います。そこで、富士山のみならず文部科学省の事務次官として2013年7月まで日本中の素晴らしい大学の研究の山々を監督してきた森口泰孝先生を、藤嶋学長と私の二人で理科大にスカウトしてきました。当然文部科学省の事東京理科大学理事長 中根 滋東京理科大学理事長 中根 滋

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